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口腔ケアの実際


それでは、前回に続き、実際の口腔ケアの内容を簡単にご説明します。
大きく分けて次のような5項目が主なものとなります。

<1>プラークコントロール
<2>義歯の清掃
<3>含嗽【がんそう】(ぶくぶくうがい)
<4>摂食【せっしょく】・嚥下【えんげ】(たべる・のみこむ)機能訓練
<5>環境・生活状況の整備

前回お話しましたように、虫歯や歯周病の原因となったり、誤嚥性肺炎【ごえんせいはいえん】などの呼吸器感染症の原因になる口腔内細菌を減少させ、増殖を防ぐようコントロールしていくことが、口腔ケアの第一歩です。

「プラークコントロール」とは、そのような細菌の集合体である、プラーク(歯垢(シコウ))を除去してゆくことです。
それは、その人にあった清掃道具を使用して、歯の周囲や歯と歯肉の間のポケットと呼ばれる隙間などに存在する細菌を丁寧に除去してゆきます。
また、その歯垢【しこう】が石灰化して歯に硬くこびりついた歯石【しせき】も、除去します。
それから、舌や頬粘膜【きょうねんまく】(ほほの内側)・口蓋【上あご】・咽頭部【いんとうぶ】(のどのまわり)などの粘膜に付着している細菌も取り除いてきれいにします。
それには、いろいろな硬さの歯ブラシ、歯間ブラシ、粘膜用ブラシ・舌ブラシ、スポンジブラシ・デンタルフロス(清掃用の糸)・ガーゼ・他さまざまな清掃用具を使用します。
また、義歯を使用している場合には、義歯用ブラシや義歯洗浄剤などを使用します。
また、含嗽【がんそう】(うがい)も重要で、頬の筋肉を十分使ってぶくぶくうがいをします。そのときに、薬用成分の入ったいろいろな含嗽剤も使用します。

どのような状況にあっても、できる限り残っている体の機能をいかして自分でのケアが可能になるように、道具の形態を工夫したり自助具(ジジョク)を活用することも必要になります。

また、一部介助や全介助が必要な方には、ケア時の誤嚥【ごえん】(誤って不潔な血液や水分が気管に入ること)を防ぎ、安全に効果的に、そして何より安楽に受けられるよう配慮しながら、一人一人にあった専門的な口腔ケアを実施してゆきます。
そして、口唇【こうしん】や舌を使って食物を取り込み、歯や舌・頬筋など口の周りの筋肉をうまく使って、唾液を十分出しながら咀嚼【そしゃく】(かむ)して、嚥下【えんげ】(飲み込む)するという一連の動きがうまく働くように機能訓練をします。
高齢になったり脳卒中の後遺症で麻痺がある場合などは、この働きが悪くなっており、うまく飲み込むことができにくくなります。

さらに、このようなケア時の動作がスムーズに行くように、生活周辺の環境も整えてゆくこともだいじです。

以上、私たちが現在行っている「口腔ケア」の考え方と、その簡単な内容を2回にわたって、お話をさせていただきました。
実際の方法などもっと詳しくお知りになりたいことや心配なことなどありましたら、私達、歯科医師・歯科衛生士にいつでもご相談ください。
また、掲示板のほうへメールでお知らせ下さっても結構です。
お待ちしております。

最後に、現在寝たきりで病院に通院できない方々にたいして歯科医師・歯科衛生士が訪問して歯科治療や口腔ケアを実施することができます。
お困りのことがありましたら、ぜひご相談ください。
歯科衛生士 松尾敬子

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