院長コラム

シカの壁

シカの壁
記者: 中野先生、こんにちは。今日は「シカの壁」というタイトルでお話を伺いたいと思っています。よろしくお願いします。
   
歯医者: こちらこそ、よろしくお願いします。
   
記者: さっそくですが、この「シカの壁」というタイトルは昨年ばか売れした養老孟司先生の著書「バカの壁」のパクリでしょうか?
   
歯医者: パクリとは失礼な(怒)、確かに著書も読ませて頂きましたし題名の付け方ひとつで書籍の売れ方がそんなにも変わるのかと驚きましたが、あくまでパロディであってパクリではありません!
   
記者: それは失礼しました。てっきり先生お得意のパクリかと思っていました。
   
歯医者: パクリじゃなくて、パ、ロ、デ、ィ!!
   
記者: そんなことはどうでもいいのですが、サブタイトルの「歯医者は怖くないなんて大うそ!」というキャッチコピーが目を引きますが。
   
歯医者: そうですね!実は歯の治療を受けたいけれども、恐怖感や不安感でなかなか歯医者の門をたたけない方が世の中には沢山いらっしゃいます。そんな方は「歯医者は怖くない!痛くない!なんて最近の歯医者はよく言っているが、そんなことは大うそ」とよく言われます。
   
記者: そうですか、でも本当のところはどうなのですか?歯医者は怖くて痛いところなのでしょうか?
   
歯医者: 歯の治療に必要以上に恐怖感や不安感を持っている方は、小さいころの歯の痛かった治療がトラウマになっていることが多いです。そのために10年以上も歯医者に行くことができなくてもんもんと悩んでいる方が多いのが実情です。
現実に私の所にそういった方が決心を決めて治療に来られた場合、十分な説明となるべく痛みを与えない治療を行うと「なーんだ!思っていたより怖くないし痛くなかった!私は何年間も何を悩んでいたのだろう?」と言われる方がほとんどです。
   
記者: 患者さんが想像している歯科治療と今の実際の歯科治療との間に大きなギャップが存在しているのでしょうか?
   
歯医者: そうですね!小さい時の歯の痛かった治療がトラウマとなっている場合は、言葉で言うのは簡単ですが実際に患者さんが歯の治療の恐怖感や不安感を克服することは大変な努力が必要だと思っています。それだけ大きなギャップが存在していることは間違いありません。
   
記者: その大きなギャップを克服するために大変な努力が必要なことはよくわかりますが、実際には何をする必要があるのでしょうか?
   
歯医者: 歯の治療に恐怖感が強い方の場合、お薦めするのは歯医者に行く前にメールや電話、FAX等を使って前もって担当の歯科医師の先生とコミュニケーションを取ることです。
   
記者: でも歯医者に行かないうちからコミュニケーションなど取れるものでしょうか?
   
歯医者: いやいや難しいことではありません。例えばホームページを開設してメールアドレスの公開やお問い合わせのフォームがある歯科医院はそこからまずメールで相 談してください。メールが駄目な場合は診療時間内では難しくても昼休みの時間などに「院長先生に相談したい」と電話をすると、ほとんどの場合きちんと相談 に載ってくれると思います。
   
記者: 前もってコミュニケーションを取るとどんなメリットがあるのでしょうか?
   
歯医者: まず一番のメリットは患者さんサイドも医院サイドもお互いにお互いの情報が前もって得られるということです。患者さんにとっては自分の歯の治療を実際に行 う歯科医師がどんな先生なのか知ることは大きな安心感につながります。またもしその医院で十分対応が出来ない場合でも、前もって相談することで専門の医院 とか大学病院等の外来を紹介してもらえるかもしれません。
安心感以外に無駄な時間を少なくして効率よく診療を受けることに繋がると思います。
   
記者: わかりました、では前もってメールや電話でお互いの情報を交換した後はどうしたらいいのですか?
   
歯医者: このタイトルの様に「シカの壁」も歯科医院の敷居も高いと思います。
次のステップとして、その高い壁、敷居を乗り越えないといけません。
   
記者: ではどうやってその高い壁を乗り越えるのですか?
   
歯医者: 歯科医院に行かないといけないと言うニーズは高いのに何が支障(壁)となっているのか一度自分の胸に手を当ててよく考えてみましょう。
   
記者: はい考えました。
   
歯医者: ではあなたの「歯医者の壁」はいったい何なのでしょうか?
「治療が痛いことですか?」
「麻酔の注射がどうしても嫌なことですか?」
「何をされるかわからないので怖いのですか?」
「小さい時の痛い体験が尾を引いていますか?」
「あのキーンという音が嫌ですか?」
「水や唾液を吸い込むバキュームが苦手なのですか?」
「嘔吐反射が強いため怖いのですか?」
「前歯の見た目にコンプレックスを持っていて誰にも見られたくないのですか?」
それとも他に何か思い当たりますか?
   
記者: 実際に何が障害か見つけ出すのですね。
   
歯医者: そうです!そして問題がわかったら各々の問題について歯医者とよく相談をして具体的な解決策を探します。
例えば痛みが嫌な方には無痛治療の説明を行いますし、音が苦手な方には音が出ない治療方法をご紹介します。
   
記者: なるほど問題をあぶりだして、一つ一つ消去してゆくのですね。
   
歯医者: そうです、すると不思議なことにあれほど高かった歯医者の壁が
もうそんなに高くないことにきっと気が付かれる事でしょう。
   
記者: まずメールや電話で歯科医師とコミュニケーションを取る。次に今まで自分が何が支障で歯医者に通うことができなかったか考えてみる。そしてその問題については前もってメールや電話で歯科医師に相談する。こういった流れでいいのですね?
   
歯医者: はい!上出来です。ここまでくればあなたの心の中には少しは歯医者に行ってみたいという気持ちが芽生えてきていると思います。
ではここで、もう少しあなたの背中をとんと押す秘密の方法をあなただけに教えましょう!
   
記者: 秘密の方法ですか?
   
歯医者: そうです!秘密の方法です。ここだけの話ですので誰にも話さないで下さい。
その秘密の方法とはあなたが歯のことで困っている内容をまず紙にかき出すことです。例えば
「前歯の見た目が悪く大きな口をあけて笑えない」
「歯ぐきが腫れていて歯磨きの時に血が出る」
「口臭が気になる」
「奥歯の虫歯が大きくて痛くて物が食べられない」
等が多く書かれる内容だと思います。
   
記者: はい、私も書いてみました。
   
歯医者: ここではまず紙に書き出すという行為が重要ですが、次にもしあなたが歯を治したら虫歯や歯ぐきが単に治るだけでなく、自分の生活がどう改善されるか想像を 膨らませて考えてください。もちろん希望が多く入っても全然OKです。そして矢印で歯が治ったらどんな未来があなたを待っているか書き込みましょう。
例)
「前歯の見た目が悪く大きな口をあけて笑えない」
⇒前歯がきれいになり笑顔も素晴らしくなり恋人ができる。
「歯ぐきが腫れていて歯磨きの時に血が出る」
⇒歯ぐきがきれいなり笑顔も素晴らしくなり恋人ができる。
「口臭が気になる」
⇒口臭がなくなり笑顔も素晴らしくなり恋人ができる。
「奥歯の虫歯が大きくて痛くて物が食べられない」
⇒虫歯がなくなり笑顔も素晴らしくなり恋人ができる。
   
記者: 先生!全部恋人ができるのですか?
   
歯医者: まあ例えです、硬いことは抜きで行きましょう。私も最近驚いていることですが歯を治すことでステキな恋人ができたとか、夢だったイギリスへの留学が決まっ たという報告を多く受けるようになっています。私が考えるところ歯を治すと言う「シカの壁」を乗り越えることで自分に自信が付き、また他の壁にも兆戦する 勇気が出てきて人生が今まで以上に前向きに回り始めたのだと思っています。
   
記者: なるほど「シカの壁」を乗り越えることによって人生における他の壁も乗り越えられる自信がついたと言われるのですね
   
歯医者: そうです!この理論は「シカの壁理論」と言って私が勝手に名付けましたが今度の学会で発表して「歯科の壁」と書いてバカの壁と読む本も出したいと思っています。
   
記者: だからそれはパクリだって!!。。。。。。。

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